2010/05/04

ニーチェと

春らしい春が来ないなあと思っているうちに夏になりそうです。日差しが強烈で、夏の気配がじりじり迫っているのを感じますね。私は夏が本当に苦手なので戦々恐々としつつ。昨日まで重そうなコートを着ていたバイオリンのお兄さんも、さすがに冬装備を解きました。そんなこんなゴールデンウィーク。名古屋遠征をしているメンバーもいます。

読み終わったためしのない、ニーチェの「ツァラトゥストラ」をまた読み始めました。“神は死んだ”で有名なアレです。私は比較的、本をよく読む方ですが、ツァラトゥストラと新約聖書は何回挑戦しても最後まで読み終わりません。何かのタイミングでふっと手から離れていきます。……今度こそ最後まで読みますよ!

ツァラトゥストラで今のところ一番気に入っているのは、第一部の「山上の木」というくだりです。木の根元に座っている、疲れた顔の青年にツァラトゥストラがこう語りかけます。
“(前略)――が、そういっても、人間は木と同じようなものだ。高みへ、明るみへ、いよいよ伸びて行こうとすればするほど、その根はいよいよ強い力で向かっていく。地へ、下へ、暗黒へ、深みへ――悪の中へ”
これに続く青年とツァラトゥストラの対話にはなかなか興味深いものがあります。この本は哲学書に分類されてはいますが、言葉はとても分かりやすく、また基本的に物語なので普通に楽しめます。私の持っているのは中公文庫から出た文庫で、訳者は手塚富雄氏。訳注がとても親切でおすすめ。私はしばらくツァラトゥストラを持ち歩いています。……ただし、疲れている時と寝る直前に読める本ではないですね(笑

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